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2006年9月 3日 (日)

フニャフニャ・シフトレンズの味わい

■トイレンズで写真を遊ぶ 4

前回は100円ショップで買ったオモチャ双眼鏡のレンズに、黒いゴム生地を巻きつけた「フニャフニャ・シフトレンズ」の写真を公開したが、今回は実際にそのレンズで写した写真をアップしてみた。「D200で撮影しました」と言ったらニコンの人から怒られそうな写真が撮れたのでぜひご覧下さい。

http://kitschlens.cocolog-nifty.com/photos/toylens/index.html

鑑賞のポイントは、たとえば赤い起き上がりこぼし人形の下半身のボケ具合。

「……って言われてもー」と困ってしまう人もいるかもしれないが、この甘さが人工甘味料っぽくなくてGood。普通は嫌われる収差を勝手に味わってしまっているわけだが、レンズを一枚しか使っていないせいなのか、なんか素朴な旨みがあって私は好きだ。

こうやってレンズを味わうためにはデジタルカメラというのは適している。現像工程をスキップしているためなのか、よりストレートにレンズの味が分かる。それと色んな実験をするにはデジタルはひじょうに楽だ。現像しなくても結果がすぐに確認できるからだ。

この程度のレンズを手作りするのにもテスト撮影は行っている。これでいちいち現像による時間やコストがかかってしまうと、ちょっと気が萎えてくる。「いえいえ、そういう時間が大切なのです」と、どこからかアナログおじさんが現れて、たしなめられてしまいそうだが、私はそんなものはスキップしたい。

思いついたことをすぐに実験してみて、結果が出たらまた次の実験をしてみる。それである程度満足するものが出来たら、とっとと作品に反映すればいい。いつまでも実験ばかりしていたってしょうがない。

写真というのは色んな迷い道があるから注意が必要だ。たとえば写真を全然撮らないくせにレンズのMTFチャートを、じとーっと眺めてドーパミンを分泌させてたり、フィルムにいかに気泡をつけずにフィルム現像を行うかを追求してみたり。

だいたいマニアックにコレクションをしたり、現像方法にばっかりこだわっているような人は、ろくな写真を撮らないもんだ(決めつけ)。たとえば、「ゾーンシステム」という現像法がある。写真家アンセル・アダムスやマイナー・ホワイトが考案したもので、印画紙の再現域を最大限に活かして階調再現を行う現像法だ。

このゾーン・システム自体には何の問題もないんだけど、いかに階調再現を行うか、いかにファインプリントを作り上げるか、といった部分にばかりウエイトを置いてしまうと、確かにプリントはきれいだけど「いったい何を伝えたいわけ?」ということになりかねない。

カラーマネージメントにいくらこだわっても、いい写真は撮れない。まあ、私自身がふらふらと迷い道に入り込みやすい性質なので、自戒を込めて言っているのだが……。

●ピンホールカメラやドアスコープカメラも作りたい

今、トイカメラやトイレンズがブームだけど、チープな描写が欲しいというだけなら、やっぱりデジタルのほうが面白いと思う。それは色んな実験が簡単にできるからだ。デジタルカメラを持っていること、というハードルはあるにせよ、100円ショップで買ったレンズが使えてしまうという所は敷居が低いのではないか。

トイカメラで撮影した写真をネットで公開してる人も大勢いるけど、プリントとスキャニングの工程が余計にかかるわけだから、ご苦労さまですと言いたくなってしまう。まあトイカメラの場合はオシャレなカメラを持ち歩く喜びというのもあるから、フニャフニャのゴムレンズは持ち歩きたくないかもしれないけどな。

現在、フニャフニャ・シフトレンズの問題点としては150mmぐらいの望遠レンズであるということ。スナップを撮ろうと持ち出してみたが、ちょっと辛かった。広角系にするには、どうしたらいいんだろう。ただ、100円ショップで買ってきたレンズをくっつけてみたら写ってしまった、というレベルなので応用が利かないのだ。どなたか親切な方は広角系にする方法を教えて下さい。

とりあえず、新たなレンズを探したりということで時間がかかりそうなので、今度は別のこともやってみたいと思う。一つはピンホールカメラ。家庭にあるアルミホイルでもピンホールが作れるみたいだから、デジタルカメラであれば簡単に実験ができそうだ。

それから、家のドアに付いているドアスコープを使うと魚眼レンズになるそうだ。これはこの間、近所のサティで380円で購入済みだ。ただ、どうやってカメラに取り付けたらいいのか思案中だ。

いろいろ調べていたら、カビが生えてしまったようなレンズを分解、修理して使っている人々が世の中には沢山いるということも分かってきた。ジャンク品のレンズを何百円かで探してきて、分解して組み合わせるなんていうことをしたら面白いかもしれない。

ただ最初のコンセプトとしては紙やビニールで工作してみようということだったから、あんまり本格的になってしまうと、ちょっと嫌だな。それにただレンズを分解して愉しんでるだけのオジさんになってしまっても困る。

あくまで最終目標は、「キッチュな描写のレンズを使って、なんか面白い写真を撮る」というところに置いて連載を続けていきたいと思う。
「日刊デジタルクリエイターズ」にて連載中)

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