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2006年9月 3日 (日)

レンズベビー購入

■トイレンズで写真を遊ぶ 9

久しぶりに銀座一丁目のフォトショップ「銀一」を覗いたら、トイレンズの「レンズベビー」の現物を見つけてしまった。インターネットで発見し、一時は買う寸前まで行っていたのに、止めてしまった製品だ。いろんな人が撮影し、Web上で公開している写真を見て、「ちょっと甘すぎるかも……」と思い、自分で作ってみることにしたのだ。しかし、現物を見たら物欲が湧いてきた。

だって鏡筒の部分が掃除機のホースみたいになってて曲がるんですよ。

というのは購買意欲が湧いた説明にはならないか……。何でこんなふざけたレンズが私のハートを刺激するのでしょうか。さらにその隣には「PCレンズ・イン・ア・キャップ」というレンズも置かれていた。こちらは「撮影も出来るボディキャップ」というキャッチコピーが付いている。

「マウント面からの厚みはたったの16mm」。しかもしかもタテヨコナナメ、どの方向にもシフトするという。値段はなんと3200円。絞りは11か22の切り替え式。すごーく暗いレンズなんだね。でもそのオモチャっぽさに惹かれてしまう。

◇銀一オンラインショップ

しかし、こんなもんを買って、ちゃんと写っちゃったらどうしよう。デジクリの連載も終わりだな。せっかく日本一のオモチャレンズを作る旅に出たのに、失意の強制送還だな。柴田さんには土下座して謝るか。憧れの和恵さんには冷たいスイーツでも送っておくか……

などと考えながら、優柔不断な私は何も買わずに店を出た。

●気になる描写は?

しかし、帰りの電車の中でトイレンズへの想いは募り、家へ帰ると即ネットで注文してしまった。もちろん、「レンズベビー」のおまけに「PCレンズ・イン・ア・キャップ」も付けてしまった。

手にとっての第一印象は「非常に良い」だな。特に鏡筒の部分に使われているチューブが素晴らしい。よくこんないいチューブを探してきたと思う。私もホームセンターや東急ハンズやネットで色々探したが、結局手頃なチューブを見つけることはできなかった。たまに見つけても50メートル単位だったりする。どんなチューブ好きでもそんなにはいらん。

思っていたより、硬めで弾力がある。フニャフニャシフトレンズとはえらい違いだ。ピントは何もしない状態でレンズの前方50センチぐらいの所に合う。レンズをググッと縮めると遠方にピントが合うようになり、逆に伸ばすと近くに合うようになる。さらにグニャグニャと曲げて撮影することも出来る。

ただ、指先で同じ状態でキープしておくには、ちょっと力がいるので、シャッタースピードが遅い場合はちょっと辛い。まあ、じっくり撮るというよりは、ファインダーでいい感じに見えた瞬間に、ササッとシャッターを切ってしまうという感じだろうか。

私が買ったのは「レンズベビー2.0」で絞りは開放で2.0だから、けっこう明るい。ただし、開放で撮影するとかなり軟調で、ポワンポワンの写真になってしまう。(今回も「キッチュレンズ工房」に写真あり)
http://kitschlens.cocolog-nifty.com/blog/

そして絞りを変えることによって、滲んだような感じの度合いを調整することができる。これは以前キヨハラ光学のベス単もどきレンズを使っていた時に経験したのと同じことだ。

このレンズベビーのチープな点は絞りディスクという名の小さく黒い輪っかが4種類付属していて、そいつをいちいち交換しなくてはいけないということだ。ただし、自分で一番好きな絞り=ソフト効果が分かったら、絞りを頻繁に変える必要はないだろう。レンズに小さな磁石がついていて、この絞りディスクを吸着させておくことができるという工夫が面白い。

問題となるのは、自分の好みの絞りが「f2.0」だったりする場合だ。天気のいい日だとシャッタースピードをいくら速くしても露出オーバーになってしまうからだ。こうなるとNDフィルターでもつけなきゃなんないよなー、なんてことを考えていたら、自分が以前NDフィルターを付けて撮影していたことを思い出した。

NDフィルターというのは「ニュートラルデンシティーフィルター」のことで、光量を落としたい場合に使うフィルターのことだ。サングラスのようなものだが、色には影響を与えない。シャッタースピードを落としたい場合なんかに使われる。

昔、映画の撮影に参加したことがあるが、その時には疑似夜景の撮影でこのNDフィルターが使われた。昼間に夜のシーンを撮影してしまうのだ。映画のナイトシーンでやたらと影が強く出ているような場合は、ピーカンの真っ昼間に撮影したシーンだということだ。

私がNDフィルターを使ったのは、やはりキヨハラ光学のベス単風レンズを使っていた時のことだ。あんまりソフトになるのは嫌なので、絞りは「8」に固定して使っていた。通常の撮影であれば、明る過ぎるということはないのだが、その時使っていたフィルムが感度1600だったので、天気のいい日だとどうしても露出オーバーになってしまったのだ。

かくしてファインダーを覗いてもピントの山が分からないようなレンズを使い、しかもわざわざNDフィルターを使って暗くしていたので、すごーく不自由な撮影をしばらくしていたのだが、まあISO1600の粒状感が欲しかったので仕方がない。なんかそうやって不自由をしながら撮影することが面白いのだ。うまくコントロールできるようになる頃には、また別のことがやりたくなってしまう。

実際にレンズベビーを使って撮影してみての感想はと言えば、凄くいいですねえ。周縁部のボケ具合というか滲み具合が美しい。光学ガラス2枚構成ということで、うっとうしい色収差を消してある所がポイント。本物の安っぽいオモチャレンズだとこうはならない。

このレンズを考え出した人はひじょうにセンスがいいと思う。なかなか知恵を働かせているし、感心した。本日のレンズオブジイヤーに認定します。おめでとう。

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