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2006年9月29日 (金)

「レンズベビー3G」登場

レンズベビーの新しい製品が出るようだ。今までの製品は蛇腹を繰り出したり、シフトしたりするのにちょっと力が必要で、同じように撮影するのは難しかったが、新しい製品ではそれがロックできるようになっているらしい。まあプロがキッチリ撮影するためには便利な機能だけど、レンズベビーではいい加減に撮りたいなあ……。ただルックスはけっこう斬新なので、グッドデザイン賞をあげます。おめでとう。
米Lensbabies
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2006年9月27日 (水)

蛇腹レンズの工作法

日刊デジタルクリエイターズの9月27日刊行号に「蛇腹レンズの作り方」を執筆しました。以下は工作法の写真。蛇腹の設計図のPDFをダウンロードしたい人はココをクリック
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黒い紙に設計図をプリントしたら、切り抜いて筒状に貼り合わせ、蛇腹に折っていく。

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折り目がついたら広げて、蛇腹折りにしていく。

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ボディへはボディキャップを使って取り付けるが、ドリルを使って穴を開ける。バリはヤスリで滑らかにして、最後は水洗で削りカスをよく洗い流す。

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100円ショップ(ダイソー)で買った望遠鏡キット。100円でレンズ3枚付き。

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厚紙をカッターで円形にくり抜き、レンズを取り付ける。

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蛇腹レンズの完成。1000円もしないで、こんな素敵なレンズを工作することができる。





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2006年9月25日 (月)

デジアナ逆十字固め

オモチャレンズを作る話はメールマガジン「日刊デジタルクリエイターズ」に「デジアナ逆十字固め」として週一ペースで連載中です。ホームページのブログ上でもバックナンバーの閲覧が可能です。
「ローパスフィルターのクリーニング」(18回)

「ミズクラゲはマクロに限る」(19回)

「光学レンズ vs 安プラレンズ」(20回)

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モニタとプリンタの色合わせを極める

エプソンのサイトで「モニタとプリンタの色合わせを極める」という話を書きました。PDFのダウンロードもできるようになっています。
なぜ色が合わないんだろう?/モニタ調整のポイント/プリントの忠実再現/色合わせのチェックポイント/デジタル暗室のすすめ

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2006年9月20日 (水)

光学レンズのテスト写真

オモチャレンズではなく、光学レンズで工作したレンズで撮影した写真をアップした。レンズは二種類で、非球面レンズと接合レンズ。新河岸川までサイクリングして撮影。
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2006年9月13日 (水)

たゆたふクラゲ

江の島遠足の写真をアップ。クラゲやイルカあり
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2006年9月 5日 (火)

花火の写真をアップ

隣町の花火大会で撮った花火の写真をアップしました。レンズベビーの絞り開放。シャッターを切る瞬間にシフトさせたりしているので、見たことのないような写真になりました。
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レンズベビーにベビーを追加

レンズベビーのマイフォトに赤ちゃんの写真を追加。すべて絞り開放で撮影

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2006年9月 3日 (日)

最低レンズとの出会い

■トイレンズで写真を遊ぶ 12

ついに最低なレンズと出会った。100円ショップで買った「子ども実験シリーズ 望遠鏡を作ってみよう!」という手作りのキットに付いていたレンズだ。このキットではガリレオ式とケプラー式の二つの望遠鏡を作ることができる。凸レンズが3枚と凹レンズが2枚。そして筒用台紙と解説書が付いて100円だ。

つまりレンズ1枚あたり、せいぜい20円といったところだろうか。このレンズを使って撮影してみたら、今までで一番安っぽい描写となった。つまり、これぞ真のトイレンズということだ。ピントが合っていても、芯のない、でろーんとした脱力感を醸し出している。

市販のレンズベビーの場合はトイレンズとは言っても、その実ちゃんとした光学レンズを使っているので、品の良さのようなものが感じられる。しかし、この中国製の安っぽいプラスティックレンズは、明らかにカメラに付けるような代物ではない。

今回は蛇腹レンズの復讐戦でもあった。前回蛇腹を作った時はちょっと大きすぎてカメラにきちんとはめることが出来なかった。緻密な計算が微妙に狂ってしまったわけだが、今回は一回り小さめに作り直し、うまく収めることが出来た。まあ、直径24mmのレンズを使ってるのに、大口径レンズのような鏡筒はいらんわな。

蛇腹も何度も作っているうちに、だんだん折るのがうまくなってきた。ポイントとしては黒い紙に折り線をプリントする際に黒ではなくイエローインキを使うこと。黒に黒で刷るよりも線が目立つようになる。それから頑丈にしようと思ってあんまり厚い紙を使わないこと。厚ければ、当然折りづらくなってしまう。

レンズベビーのチューブもなかなか使い心地がいいのだが、紙製蛇腹レンズのほうが柔らかくて使いやすい。特に握力がない人がレンズベビーでピントをキープしておくのは辛い場合があるが、紙製蛇腹の場合は握力もいらない。

レンズの前面にはニスを塗ったバルサ材にレンズ用の穴を開けて貼り付けた。蛇腹と木の組み合わせでレトロな感じのレンズになった。しかしニコンのデジタル一眼レフに付けてみたら、あんまり格好いいとは言えないような微妙な感じのものになってしまった。ゴム製のフニャフニャシフトレンズに比べれば大分ましなのだが……

Jabara

何がいけないかなあ。どこを直せば格好良くなるかなあ……。またモックアップを作り直して、風洞実験からやり直しだ。

●あとは光学レンズとの対決だ

日本一のオモチャレンズを求めて旅を続けてきた私だが、この100円ショップで見つけたレンズが、日本一のオモチャレンズなのかは、まだ判断がつかない。その描写は相当にどうしようもないのだけれど、ただどうしようもないというだけでは日本一とは言えない。ダメ男だけれど、どこか憎めない所がある、みたいな部分もぜひ欲しい。まあ、もう少しいろんなものを撮ってみたほうが良さそうだ。

ただ、ビビッとくるような素晴らしさはないけれど、安く簡単に手に入れることが出来て、分解したりする必要がないというのがいいところ。また、あまり焦点距離が短いレンズだと使えないが、マウントの辺りに置いて無限遠にピントが合うこのレンズは、ちょうど使いやすい。

あとは、もう少し光学レンズとの比較もしてみたい。もしかしたら自分が求めているもの(頭の中にボヤッとあるイメージ)は、オモチャレンズではなく、光学レンズかもしれないという可能性も捨てきれないからだ。

すでに光学レンズはネットで探して購入済みだ。次はこのレンズを使って比較検討をしてみたい。本物の交換レンズをバラして、その中から使えるものを探そうとしたこともあったが、それも遠い過去のこと。レンズは半端に分解したまま放置されている。しかし、時代は常に動いているのだ。多少の犠牲は仕方ないだろう。

トイカメラ

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本物のレンズを分解する

■トイレンズで写真を遊ぶ 11

オモチャのレンズや鏡筒用の黒い紙、ゴム、ビニール等は色々集めたのだが、ちゃんとした光学レンズと写り方の比較をしたり、本物の交換レンズを改造して新たなレンズを作り出す、なんていうこともしてみたい。

ネットオークションで「レンズ&ジャンク」のキーワードで検索してみると、けっこう出品されていることが分かり、競り落としてみることにした。しかし、実際にウォッチしてみるとけっこう高い値段で取り引きされているようだ。

私の希望としては「ニコンマウントのものを500〜1000円で。できれば2、3本まとめて落札したい」という感じなのだが、オークションの終了時間が近づくと、どんどん値段が上がってしまって、なかなか競り落とせずにいた。

それにしても人々はジャンクレンズなぞ買って、何をしようとしているのでしょう? ジャンクというのは絞りが壊れていたり、レンズにカビが生えていたり、傷があったりして、保証ができないような品物のこと。レトロな名レンズを復活させようというのなら分かるけど、あまり価値があるとも思えないようなものにまで値段が付いて取引されているというのが、ちょっと不思議。

ただ、レンズに限定せず、古い写真機を修理して使えるようにする「レストア」は、趣味として確立されたジャンルだ。ネット上では修理の様子を解説するホームページが多数あるし、解説書もいろいろある。

まあ、機械を分解したり組み立てたりすることにより、脳内麻薬がズルズルと分泌されるんだろうなということは、男として理解できる。仕事もせずに日がな一日レストアしてたら無能の人になってしまうが、お父さんの日曜日の手すさびであれば、特にとがめ立てされるようなものでもないだろう。

●工具を買って、いざ分解

しばらくネットオークションでジャンクレンズの動向を観察していたが、まとめて何本か買うというのは諦め、特に人気があるとも思えないニコンの「75〜150mm、1:3.5」というズームレンズを1000円で落札した。多少ぶつけた跡があり、よく見ればカビも生えている。こんなものが1000円というのは高い気もするが、光学レンズを単品で買うことを考えればお得とも言える。

さてバラしてやろうと意気込んだものの工具がない。調べてみると、まず「カニ目回し」という工具が必要らしい。これはレンズやカメラを分解する時の基本的な工具なのだが、コンパスのようなものの先端を二カ所の溝に食い込ませ、グリンと回転させて外すための道具だ。

ネットで調べてみると、「カニ目回しは分解するものに合わせて、自分で作りましょう」などと書いてある。いや、そこまでヒマでもないのだよ。分解をして、また元通りに復元したいというわけでもないので、とにかく分解できれば何でもいい。

カニ目、カニ目と検索していたら、「カメラ工具セット」というものを発見した。なんだ、便利なものがあるではないか。しかし、高いぞ。「カメラ工具Aセット(木箱入り)」は15,750円もする。

◇ジャパンホビーツール

1000円のレンズを分解するのに、こんなものが必要なのか? しかし、やっと手に入れたレンズはどうするつもりなんだ? そのまま宝箱にしまってしまうのか? 私は悩みに悩み抜き、苦しみの果てに、もうちょっと安い「カメラ工具Bセット」(箱なし)7,035円を買い物カゴへ入れた。

分解は初め順調に進んだ。カニ目回しもうまく機能し、簡単に前玉をはずすことが出来た。しかし、ネジがかなり固いものがあり、うまく外れない。精密ドライバというのは人差し指でドライバの後ろを押さえながら、親指と中指で回すものらしいが、そんな方法ではうまく回ってくれない。達人ならこの方法でうまく外れるのだろうか。

だんだん、ネジ山も潰れてきた。こんなやり方でいいはずはないよな。しょうがないから万力を持ち出してレンズを固定した。しかし、これは1000円のレンズだから出来ること。元通りに復元する目的であれば、ちょっと荒っぽ過ぎる。

万力で押さえつけたら、滑り止めのゴムがずれて、下からネジが出てきた。こんな所ににネジを隠していたのか。もし万力を使わなければ絶対気づかなかっただろう。万力を使うことにより、少しずつ分解は進んできた。しかし、どうしても外れないネジがある。こんなに固ければ本物の修理屋さんも手こずりそうだが、精密ドライバを扱うコツがあるのだろうか。このまま続ければネジ山はすべて潰れてしまうだろう。

レンズを分解すれば、癒されたり、カタルシスが得られたりするかと思っていたが、現在のところ逆の効果ばかりだ。レンズに傷を付けないように力を加えるというのは結構神経をすり減らす。しかし、まだ途中だしな。きっとこうやって苦労をして分解をして、レンズのカビを取り除けたりすれば、達成感が得られるのであろう。

今はどうやって分解してくれようかと、思い悩んでいるが、バラバラに出来れば深い快楽に包まれることだろう。分解しっぱなしで構わない。写真なんてどうだっていい。オモチャレンズを作る旅とはまるで関係ないが、今はただ純粋にバラバラにしてしまいたい。そしてレンズが分解できたなら、次はカメラをバラす旅に出ることにしよう。

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蛇腹一号大失敗

■トイレンズで写真を遊ぶ 10

日本一のトイレンズを探し求めて旅に出た私だったが、ついレンズベビーの間抜けなフォルムに魅せられ浮気してしまった。しかし実際に撮影してみると「トイ」とは言ってもけっこうまともに写った。というのは本当のオモチャレンズではなく、ちゃんとした光学レンズを使っていたからだ。

掃除機のホースのような鏡筒を曲げて撮影すれば、ピントのおかしな写真になるし、単玉独特の軟焦点の味わいもある。ただ、レンズ自体は色収差を抑えた設計になっているので、筋の良さが感じられる。これはこれで、かなり気に入ったのだが、破綻の無さが、少し不満。

トイレンズを名乗るのであれば、もう少し破綻した、ヤサグレ感のようなものが欲しい。ここはひとつ破綻したレンズを自分で探し出すしかないだろう。そして私は再び、はてしない冒険の旅に出たのだった。

旅の第一の目的地である百円ショップで、今まで見たことのなかったレンズを発見した。「子ども実験シリーズ 望遠鏡を作ってみよう!」という手作りのキットだ。これに凸レンズが3枚と凹レンズが2枚付属している。百円ショップだから、もちろん百円だ。ビバ百円ショップ! 幸せはいつも百円ショップで待っていてくれる。随分と短い旅であった。

しかし、こうやって買い求めたレンズがすでに家には沢山溜まっている。結局今までまともに使ったのは、一番最初に買った百円の双眼鏡からとったレンズだけなので、私の宝箱というかガラクタ箱の中には、安い虫眼鏡やら、ルーペやらが、ごちゃごちゃと詰まっている。こいつらを一度整理してみたほうがいいだろう。

●蛇腹レンズを作る

私の次なる野望としては広角系のレンズを作ること。先に作ったフニャフニャシフトレンズは35mm換算で150mmぐらいなので、ちょっとスナップには向かない。単玉では広角というのは無理にしても、もう少し画角を広げたいところだ。

画角を広げるというのは、焦点距離が短くするということ。しかし、レンズからCCDの距離を短くするためには限界がある。カメラボディの中にまでレンズを入れてCCDに近寄らせれば、ミラーがアップした時にぶつかってしまう。素人が工作するとしたら、ボディの中までレンズを入れず、せいぜいマウントの辺りで留めておいたほうがいいだろう。

私が使っているニコンカメラの場合は、マウントから撮像素子までの距離であるフランジバックが46.5mmとのことなので、単玉で遊ぶのであれば、この辺りが基準になってくる。まあ、ちょうどいい焦点距離のレンズがあるかどうかが問題なのだが……。

天気のいい日に買い求めたレンズを外に出して、それぞれの焦点距離を測ってみることにした。まず、フニャフニャシフトレンズを陽にかざし、紙の上にピントを合わせてみる。レンズと紙との間を物差しで測ると、100mmぐらいだった。実験に使っているニコンのD200は撮像素子のサイズがAPS-Cなので、35mmフルサイズの1.5倍換算となる。つまり35mmで言えば150mm程度になるということで、実際に撮った感じとも合う。

他のレンズも色々測ってみたが、「子ども実験シリーズ」のレンズの場合は、ピントが合ったのが40mmぐらいだった。つまりフニャフニャシフトレンズと比べれば、大分画角を広げることはできる。しかし、バックフォーカス(レンズから撮像素子までの距離)のことを考えると、けっこうギリギリという感じだ。

実際に「子どもレンズ」をレンズを外したカメラのボディにかざしてみると、ちょうどマウントの辺りでピントが合った。つまりこのレンズを使う場合には、マウントの辺りにレンズがくるように工作をしなければいけないということだ。

まあ、他に適当なレンズもなかったので、今回は「子どもレンズ」を使って工作をすることにする。各界から嘲笑を浴びた生ゴム製のフニャフニャの鏡筒は封印し、紙製の蛇腹を作ってみる。

蛇腹の折り方というのはネットでいくつか検索できた。ラッパのように口径が少しずつ広がるように工作するのは、ちょっと複雑だが、同じ太さで良ければ、仕組みは割と単純だ。Illustratorで作図をし、インクジェットプリンタを使って黒い色上質紙に印刷。山折り、谷折りを繰り返すことにより、うまく工作することができた。

正面のレンズを取り付ける面はバルサ材を使うことにした。カッターで工作が出来るので、レンズ用の丸い穴を開けるのも簡単。一応ヤスリがけをし、焦げ茶のニスを塗って仕上げた。古い木製の暗箱のイメージだ。

カメラボディへはボディキャップを使って取り付けることにした。蛇腹と穴を開けたボディキャップを接着し、カメラへはボディキャップを使ってはめ込む。接着は何でも強力にくっつけてしまう接着剤と黒いパーマセルテープを使った。

今度はフニャフニャシフトレンズとは全く違う、レトロで素敵な蛇腹レンズが出来上がった。これならトイカメ娘どもも「カワイイー!」と言うこと間違いなし。しかし、カメラに取り付けようとして、このレンズに大きな欠陥があることが発覚した。

一眼レフカメラにレンズを取り付ける際には、マウントをボディに突っ込み、30度ぐらい回転させて固定するわけだが、その回転ができない。普通のレンズは円形、しかし私が作った蛇腹レンズは四角。角の所が引っかかってしまって回転することが出来ないのだ。

このままでは固定できないから簡単に外れてしまう。ボディに強力接着剤で留めてしまうなんてことは出来ない。テープで仮止めしても隙間から埃が入ってCCDにたっぷり付きそうだ。これじゃあ使えないよ。せっかくニスまで塗ったのに……

戦艦大和がふと思い浮かんだが、そんなたいそうなもんではないか。ただ、使えないとはいうものの、ぶっ潰してしまうのも忍びない。名誉レンズとして殿堂入りして貰うことにしよう。(旅はまだ続く)

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レンズベビー購入

■トイレンズで写真を遊ぶ 9

久しぶりに銀座一丁目のフォトショップ「銀一」を覗いたら、トイレンズの「レンズベビー」の現物を見つけてしまった。インターネットで発見し、一時は買う寸前まで行っていたのに、止めてしまった製品だ。いろんな人が撮影し、Web上で公開している写真を見て、「ちょっと甘すぎるかも……」と思い、自分で作ってみることにしたのだ。しかし、現物を見たら物欲が湧いてきた。

だって鏡筒の部分が掃除機のホースみたいになってて曲がるんですよ。

というのは購買意欲が湧いた説明にはならないか……。何でこんなふざけたレンズが私のハートを刺激するのでしょうか。さらにその隣には「PCレンズ・イン・ア・キャップ」というレンズも置かれていた。こちらは「撮影も出来るボディキャップ」というキャッチコピーが付いている。

「マウント面からの厚みはたったの16mm」。しかもしかもタテヨコナナメ、どの方向にもシフトするという。値段はなんと3200円。絞りは11か22の切り替え式。すごーく暗いレンズなんだね。でもそのオモチャっぽさに惹かれてしまう。

◇銀一オンラインショップ

しかし、こんなもんを買って、ちゃんと写っちゃったらどうしよう。デジクリの連載も終わりだな。せっかく日本一のオモチャレンズを作る旅に出たのに、失意の強制送還だな。柴田さんには土下座して謝るか。憧れの和恵さんには冷たいスイーツでも送っておくか……

などと考えながら、優柔不断な私は何も買わずに店を出た。

●気になる描写は?

しかし、帰りの電車の中でトイレンズへの想いは募り、家へ帰ると即ネットで注文してしまった。もちろん、「レンズベビー」のおまけに「PCレンズ・イン・ア・キャップ」も付けてしまった。

手にとっての第一印象は「非常に良い」だな。特に鏡筒の部分に使われているチューブが素晴らしい。よくこんないいチューブを探してきたと思う。私もホームセンターや東急ハンズやネットで色々探したが、結局手頃なチューブを見つけることはできなかった。たまに見つけても50メートル単位だったりする。どんなチューブ好きでもそんなにはいらん。

思っていたより、硬めで弾力がある。フニャフニャシフトレンズとはえらい違いだ。ピントは何もしない状態でレンズの前方50センチぐらいの所に合う。レンズをググッと縮めると遠方にピントが合うようになり、逆に伸ばすと近くに合うようになる。さらにグニャグニャと曲げて撮影することも出来る。

ただ、指先で同じ状態でキープしておくには、ちょっと力がいるので、シャッタースピードが遅い場合はちょっと辛い。まあ、じっくり撮るというよりは、ファインダーでいい感じに見えた瞬間に、ササッとシャッターを切ってしまうという感じだろうか。

私が買ったのは「レンズベビー2.0」で絞りは開放で2.0だから、けっこう明るい。ただし、開放で撮影するとかなり軟調で、ポワンポワンの写真になってしまう。(今回も「キッチュレンズ工房」に写真あり)
http://kitschlens.cocolog-nifty.com/blog/

そして絞りを変えることによって、滲んだような感じの度合いを調整することができる。これは以前キヨハラ光学のベス単もどきレンズを使っていた時に経験したのと同じことだ。

このレンズベビーのチープな点は絞りディスクという名の小さく黒い輪っかが4種類付属していて、そいつをいちいち交換しなくてはいけないということだ。ただし、自分で一番好きな絞り=ソフト効果が分かったら、絞りを頻繁に変える必要はないだろう。レンズに小さな磁石がついていて、この絞りディスクを吸着させておくことができるという工夫が面白い。

問題となるのは、自分の好みの絞りが「f2.0」だったりする場合だ。天気のいい日だとシャッタースピードをいくら速くしても露出オーバーになってしまうからだ。こうなるとNDフィルターでもつけなきゃなんないよなー、なんてことを考えていたら、自分が以前NDフィルターを付けて撮影していたことを思い出した。

NDフィルターというのは「ニュートラルデンシティーフィルター」のことで、光量を落としたい場合に使うフィルターのことだ。サングラスのようなものだが、色には影響を与えない。シャッタースピードを落としたい場合なんかに使われる。

昔、映画の撮影に参加したことがあるが、その時には疑似夜景の撮影でこのNDフィルターが使われた。昼間に夜のシーンを撮影してしまうのだ。映画のナイトシーンでやたらと影が強く出ているような場合は、ピーカンの真っ昼間に撮影したシーンだということだ。

私がNDフィルターを使ったのは、やはりキヨハラ光学のベス単風レンズを使っていた時のことだ。あんまりソフトになるのは嫌なので、絞りは「8」に固定して使っていた。通常の撮影であれば、明る過ぎるということはないのだが、その時使っていたフィルムが感度1600だったので、天気のいい日だとどうしても露出オーバーになってしまったのだ。

かくしてファインダーを覗いてもピントの山が分からないようなレンズを使い、しかもわざわざNDフィルターを使って暗くしていたので、すごーく不自由な撮影をしばらくしていたのだが、まあISO1600の粒状感が欲しかったので仕方がない。なんかそうやって不自由をしながら撮影することが面白いのだ。うまくコントロールできるようになる頃には、また別のことがやりたくなってしまう。

実際にレンズベビーを使って撮影してみての感想はと言えば、凄くいいですねえ。周縁部のボケ具合というか滲み具合が美しい。光学ガラス2枚構成ということで、うっとうしい色収差を消してある所がポイント。本物の安っぽいオモチャレンズだとこうはならない。

このレンズを考え出した人はひじょうにセンスがいいと思う。なかなか知恵を働かせているし、感心した。本日のレンズオブジイヤーに認定します。おめでとう。

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凹レンズをフィルターのように使う

■トイレンズで写真を遊ぶ 8

ピンホールカメラが自分が求めていたものとは、ちょっと違っていたことが、実際に撮影してみて確認することができた。私が求めていたのは、レンズの収差等に見られる味の部分なので、レンズのくっついていないピンホールカメラにそれを求めても仕方がないことだったのだ。

さて次は何をやってみようかと思いながら、凹レンズをカメラの前にかざしていたら、ピントが合うことが分かった。ということは、このまま撮影ができそうだ。凹レンズはケンコー光学のホームページで見つけて、購入したものだ。何か周到な計画が合ったわけではなく、手持ちのレンズと組み合わせれば、画角を変えたりできるんじゃないかと思い買っておいたのだ。

一眼レフカメラにマクロレンズ(ニコン60mm)を付け、レンズの前に凹レンズを翳しながら撮影したのが、以下のような写真。黒い厚紙を2枚用意して真ん中に丸い穴を開け、レンズをサンドイッチにして使ってみた。

◇凹凸レンズ

先に公開したフニャフニャシフトレンズとの違いで言えば、当然こちらのほうがまともに写る。フニャレンズの場合は100円のオモチャの双眼鏡のレンズを一枚使っただけのものだからだ。ただ凹レンズプラスの画像にも変な味わいがあるのは、撮影時に凹レンズを傾けながら撮っていたからだ。

私が勝手に面白がっているのは、レンズの収差の可能性が大きそうなのだが、ではその収差とは何なのだろう? 本来、ピントの合ったシャープな画像を得るためには、レンズを通った光線群は理想的な像点に集まって欲しいところだが、実際にはそうはならない。このように散らばり偏る現象のことを収差と言う。

この収差には種類がある。縦色収差、倍率色収差、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差など。こういった収差を押さえ込むために改良を重ねてきたのがレンズの歴史というわけだ。

フニャレンズの場合はこういった収差のオンパレードだったわけだが、凹レンズプラスの場合には、ちゃんとしたマクロレンズを使っているため収差は少なく、シフト化による歪みが、メインになるようだ。ただ、この歪みだけだとそんなには面白くない。いまいち味わい深くないのだ。本命ではないという感じ……。

凹レンズプラスの利点は、レンズ交換の出来る一眼レフに限らず、コンパクトカメラでもフィルタのような感じで使用できること。一眼レフに情けないフニャフニャレンズを付けるのに抵抗のある人でも、まあ手軽に試してみることが出来る方法だ。

同じようにして、フレネルレンズでも試してみた。フレネルレンズというのはシート状のレンズだが、老眼鏡のコーナーで見つけて買っておいた。要するに大きな凸レンズという感じだが、これを使えば手軽にクローズアップ撮影が楽しめる。

レンズが大きかったので、撮影はしやすかったのだが、描写自体にはいまいち美しさが感じられなかった。単純にレンズの前に翳すというだけではなく、フレア対策等も考えれば、もう少しマシになるかもしれないが、あんまりスジが良くないというイメージだ。単純にチープで変な感じの描写を求めているわけではないので、それなりの美しさも欲しい。そういう意味では残念ながら失格だ。

結局、私が求めているのは単にレンズをシフトさせた時の歪みということではないようだ。手軽にちょっと変わった描写を楽しむということでは、フィルタ代わりに凹レンズや凸レンズを翳してみるのも面白いが、私が求めているのは、この味ではない。では、いったい何収差なのか?

ソフトフォーカスレンズには、収差を利用したものがある。球面収差だけを意識的に大きくし、他の収差は普通のレンズと同じように押さえ込んだものだ。球面収差ではハローと呼ばれる独特の光の滲みが発生するので、逆にその効果だけを生かすようにしたというわけだ。

さらにユニークなレンズとしては、この球面収差のコントロールが可能な可変収差レンズというのも存在する。要するに球面収差の出し方を調整して、ソフトフォーカスの度合いが変えられるということだ。以前紹介した、ベス単もどきレンズでも絞りで、ハロー効果の変更が出来たが、可変収差レンズでは、たとえばレンコンのように穴があいたソフトネスコントローラーが付いていたりするのだ。

私が求めていたのもこの球面収差なのかな? という感じがしないではないのだが、ソフトフォーカスレンズの甘い描写は、ちょっときれい過ぎる。球面収差だけではなく、他の収差も若干加味したほうが良さそうだ。なーんて、自分でそんなものをコントロールできるような知恵もスキルもないのだが……。

フレネルレンズの描写に満足できなかったということは、もしかしたら、トイレンズではなく、ちゃんとしたレンズを使ったほうがいいのかもしれない。しかし、あまり整然とせずにラフっぽい感じも欲しい。なんだか見えてきたような、見えてこないような……。しかし、多少は前進してきているように思う。

なんかこういった実験をしてみると、改めて写真のレンズというのは凄いものなんだということが実感できる。単レンズを使った場合の解像感の無さや、ハッキリと出る色収差。それと比べ最新のいいレンズで撮影した場合の一点にキッチリとくるピントやボケ具合というのは驚異的と言ってもいい。人類の進歩が凝縮されているされているといっても良さそうだ。

でも、すごーく単純なレンズで、なんか面白い写真が撮れそうな気もする。

参考:「写真レンズの基礎と発展」小倉敏布(朝日ソノラマ)

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さよならピンホール

■トイレンズで写真を遊ぶ 7

梅雨のおかげで、なかなかピンホール日和がなかったのだが、ちょっとした晴れ間に近所の公園で、ピンホールカメラというかピンホールを付けたデジカメのテストをしてきた。

撮影は三脚をつけて行った。最初は感度を上げてしまってスナップのようにして撮れないものかと思っていたが、残念ながら光量が足りなかった。多少ブレても構わないからノーファインダーでバシャバシャ撮ってみようと思っていたのだが、スローシャッターでバッッッシャンという感じなので、手持ちだとちょっと訳の分からない写真になりそうだ。

ノーファインダーでバシャバシャというのは昔ハーフカメラでやったことがある。ハーフカメラというのは普通の35mmのフィルムの一コマに、二コマ分撮影ができるカメラだ。36枚撮りのフィルムであれば72枚撮影できる。当然解像度は落ちるが、大伸ばしすると逆に粒子が目立って面白い感じになる。

そのハーフカメラのユニークだった点はフィルムの巻き上げがゼンマイ式だったということ。街中を撮り歩きながら、たまにジーコ、ジーコとゼンマイを巻くという行為が楽しかった。シャッターを切ると自動的にフィルムが巻き上がり、72枚も撮影できてしまうので、いい気になって撮影した記憶がある。

でもデジタルだったら、フィルムを巻く必要もなく、フィルム代もかからないんだから、あのハーフカメラのような気軽さはあるな……。いい気になって携帯でバシャバシャ撮っている人は、いくらでもいるわけだし。

それに対して三脚での撮影というのは、機動力がない。ただピンホールカメラでの撮影時には、撮影画像のフレーミングやヒストグラムでの露出の確認ができるので、やはり三脚を使ってしまったほうが楽だ。

三脚をかついで公園をぶらぶらしていたら、ごくごく小さな川を発見。そう言えばピンホールの人達ってよく川とか撮ってるよな、と思いつつ三脚を据えてみる。ちょろちょろ流れる川を長時間露光すれば、川の流れがきれいにブレた写真が撮れるはず。ピンホール写真の技法の一つには、こういった被写体ブレを生かしたものがある。背景は三脚で固定し、人間や車や川の流れなどの動きをブレで表現する方法だ。

私は感度を下げてバルブ撮影にしてみた。バルブというのは、シャッターボタンを押している間だけ、シャッターを開けておく撮影法だ。携帯電話で秒数をカウントしながら、ジッとシャッターを押さえていたら、蚊に刺されてしまった。慌てて追い払おうとしたら、携帯を川に落としてしまった。

ピンホールは向いてないのかな……。くじけそうになる……。

場所を変えてうろうろしていたら、公園に幼稚園児の集団が現れた。手頃な「動くもの」だ。私は怪しまれないように三脚を据え、シャッターを切り始めた。園児達は前の子供の肩に手をかけ、連なって歩き始めた。「おっ! グレイシー・トレインだ」。傍らを通り過ぎる子供達は「ガッターン、ゴットーン」と口走っている。

グレイシー・トレインというより、これはいわゆる電車ごっこというものだな。グレイシー一族も亀田一族も、何故電車ごっこをしながら入場するのだろう? 液晶で確認しながら、シャッターを切る。シャッタースピードは0.4秒。子供達はほどよくブレていい感じになった。

◇園児トレイン

●君はパンフォーカス

まあ、子供達がかわいく撮れたのはいいんだけど、はたしてこれが私の目指してきたものだったのだろうか? というか元々高邁な志があったのかは定かではないが、ちょっと違う気がする。

思い出した。この連載ではオモチャのレンズを使ったり、レンズをシフトさせてみたりして、なんか面白い写真が撮れないものかと実験してみるという企画だった。しかし、ピンホールカメラというのは元々パンフォーカスで、近い所から遠くまでピントが合ってしまうから、ボケ味もへったくれもないのだ。

でもなんかレトロな感じをかもしだしているというのは、別のファクターが大きいような気もする。たとえば、ピンホールカメラというのは大判のモノクロ写真であることが多い。あるいは周辺光量が落ちて画面の隅が暗くなっていたりする。近景から遠景までピントの合うパンフォーカス。被写体をブラした見慣れぬイメージ。三脚を使ってじっくり撮ることにより生まれる静かなイメージ。

こういった付加価値のおかげでピンホールらしさが形成されているが、デジタルカメラを使って光学的な部分だけを抽出してしまうと、意外と面白みがない。色だってかなりまともだ。レンズの収差に見られるような破綻がなく、ちょっと物足りないのだ。

ということで、唐突ですがピンホールから撤退させていただきます。つまらない男にちょっかいを出され、「意外と面白みがない」とか言われて、納得がいかないかもしれないけど、私の求めているものではなかった。

でも、ピンホールをやってみて良かったよ。何か写真の原点に触れたような気がする。ピンホールよ、ありがとう。そして、さようなら。君のことは忘れない。

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0.01mmの銅箔

■トイレンズで写真を遊ぶ 6

とりあえずはアルミホイルを使ったピンホールカメラでの撮影に成功した。ただ、四半世紀ぐらい前に教育テレビで見たピンホールの開け方を思い出しながらの方法であり、まあ小学生向けの工作と言って良さそうなものだ。改良を加えるにあたっては、もうちょっとピンホールカメラに関する知識を得ておくべきだろう。

まずGoogleを使い「ピンホールの開け方」というキーワードで検索をかけてみた。27件のヒットがあった。その中でも詳しいピンホールの開け方を掲載していたのは「日本針穴写真協会」だ。

私が試した方法と違ったのは、まずピンホールを開ける素材。私が使ったのはアルミ箔だが、ここでのお薦めは「0.01mmの銅箔」だ。通常家庭で使っているアルミ箔というのはさらに薄くて、真円を開けるのが難しいとのこと。いかにきれいで小さい丸い穴を開けるのかということが、重要なようだ。

アルミ箔に開けた穴をルーペで覗いてみたら、確かにきれいな円ではない。消しゴムでサンドイッチにしながら開けたから、大きく裂けてはいないが、円というよりは十字形でバリも残ってしまっている。このバリを目の細かい紙ヤスリ(2000番)で磨くというのがポイントだ。

アルミ缶を使っても同じような工作は出来るらしいが、私はこの「0.01mmの銅箔」という言葉に心を奪われ、だんだん動悸が激しくなってきたので、気を落ち着かせるために近所のホームセンターへと自転車を飛ばした。

ちょっと特殊なものだから、あるかどうか不安だったが、クラフトコーナーですぐに見つけることが出来た。ステンドグラスを作ったりするのに使うようだ。千円もしなかったのだが、365mm×600mmもあるので、大量に余ってしまった。こんなにピンホールばっかり作りたくはない。アルミ缶にすれば良かったか……。

●ピンホールの大きさが重要

アルミ箔の場合はサンドイッチにした消しゴムごと貫いてしまうという方式で、一瞬で工作はできてしまったが、今度はルーペで穴の形状を確認しながらなので、もう少し工作らしくなってきた。

確かに開けっぱなしの穴はギザギザしているし、ヤスリをかければきれいになってくる。画質に影響を与えるとのことなので、少し丁寧に工作してみた。といっても5分ぐらいで出来上がってしまった。削りカスは綿棒に無水エタノールを付けてきっちり取り除く。そして反射を抑えるため油性マジックで黒く塗ってしまう。

今までのアルミ箔ピンホールと替えて、テープで貼り付けテスト撮影を行う。すぐにモニタでチェックしてみたが、いまいち解像感に欠け、ボケたような画像になってしまった。円の形はきれいだから、ピンホールとイメージセンサまでの距離の問題か、それとも穴の大きさの問題だろうか?

この穴の大きさというのは、けっこう重要なようだ。海外には最適なピンホール径を導き出すための計算機を置いているようなサイトもある。だいたい0.15mmから0.3mmぐらいの穴を開けましょうと書いてあるのだが、どうすればそんな細かい工作ができるのか? それにメチャクチャ細かい物差しも必要だ。

さて、どうしたものかとルーペで穴を覗いていたら、ルーペの中にスケールがあることを発見した。定規をルーペで見てみるとルーペ内のスケールの最小単位が0.05mmであることが分かった。何でオレはこんなに便利なものを持っていたのだ。エッシェンバッハの40倍のルーペなんて、ピンホールの達人でも持ってないでしょ。

という自慢は置いといて、改めてピンホールを覗いてみたら、穴のサイズは0.6mmありました。たぶん原因はこれだな。ちょっと大きすぎる。バリを取ることばかりに気がいっていて穴の大きさのことはあまり考えていなかった。

穴を開けた針の直径はと言えば、0.5mmだった。これを突き刺してグリグリやったんだから、まあ0.6mmになっても仕方がない。家にあった針を色々検査してみたが、細い虫ピンや待ち針が0.5mmほど。さらに手作り用品のクロバーのサイトで調べてみたところ、一番細いビーズ針で、0.41mmあるから、針を突き刺してグリグリやっちゃいかんということだな。

細い針を使い、貫き通さずに直径の半分ぐらいの大きさの穴を開けるというのがポイントのようだ。0.3mm(だいたい)の穴を開け、テストしてみたところ、解像感はかなり改善された。テスト画像は「デジカメでピンホール」のほうにあげておきました。

色々調べてみたら、0.2mmとか0.3mmのドリル刃なんてものもあるようだ。つまり虫ピンよりも細いということ。ただ、普通の電動ドリルにはセットできず、専用のピンバイスという工具が必要になる。それから、開けた穴の大きさを測るためには、「ホログラムミクロゲージはかるくん0.01mm」というのを見つけた。こんなものを使えば精密な細工もできることだろう。ただ、とっかかりとしては、アルミ缶と虫ピンで試してみるというのが、いいんじゃないだろうか。

来週あたりは、ピンホールカメラで撮影した写真を公開してみたいのだが、問題は割と普通に写ってしまうということだ。フニャフニャシフトレンズに見られたような収差がなく、パンフォーカスで近くから遠くまでピントが合ってしまう。そのくせシャッタースピードがメチャメチャ遅くなるので、手持ちだとちょっと辛い。

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ピンホールカメラにちょっかい

■トイレンズで写真を遊ぶ 5

この連載の画像置き場として、ココログで「キッチュレンズ工房」というブログを始めたが、今アクセス解析を見たら2,000を越えていた。多くの人があのフニャフニャレンズを見てしまったということだね。お粗末さまでした。

「本当にあんなレンズをつけて外を歩いたの?」という質問もあったけど、しっかりお外で撮影してきました。ゴム生地&紙製とはいえ、いちおう黒いし、素人には分からなかったみたい。ただ、同じようにカメラを持っている人は、じとーっと、レンズを凝視してたが……。

それから、現在のフニャフニャ望遠レンズをフニャフニャ広角レンズにするにはどうすればいいのか? といった公開質問に対しては、「そんなのは簡単、屈折率の高いレンズに変えればいいじゃない」というお便りをいただきました。

確かに屈折率の高いレンズにすれば、段々画角は広がってくるんだけど、じきにレンズがボディにくっついてしまう。だから単玉だと広角というところまで持ち込むのは難しそう。

これも一応レンズだよな、と思って買っておいた透明アクリルの玉の場合だと、ピントが合うのはボディの中という感じになる。ミラーアップして無理矢理押し込んでみたら、「ミシッ」と嫌な音がしてCCDが壊れてしまった……

なんていうことにでもなったら大変だ。トイレンズの広角化という課題はちょっと置いといて、今度はピンホールカメラにちょっかいを出してみたいと思う。

●ピンホールを開けてみる

かつてピンホールカメラをやってみたいと思ったことはなかった。だって面倒くさそうだから……。

入門篇としては、
1)小さな穴を開けた箱を用意する。箱の内側は黒く塗っておく。
2)穴の部分にピンホールを付ける。
3)ピンホールを閉じ、暗室で箱の中に印画紙をセットする。
4)必要時間ピンホールから光を入れ、撮影する。
5)暗室で印画紙を出して現像。ネガ印画紙が出来上がる
6)ネガ印画紙を新たな印画紙に重ねて露光。するとポジ画像が出来上がる。
と言った感じか。

まあ、これは「箱にピンホールが開いているだけで写真が撮れますよ」ということを味わうための方法なので、専用のカメラでフィルムを使ったりすれば、もう少し楽にはなるし、インスタントフィルムを使ったピンホールカメラなんていうものもある。

でもピンホールカメラで作品を作っているような人は大判のカメラを使ってじっくりと撮影しているケースが多い。さらに露出はどうするのか? フレーミングはどうするか? といったことを考えると、ちょっと腰が引けてしまう。

ただデジタルカメラを使って実験的に撮影してみるだけであれば、そんなに面倒ではないはず。で、とりあえずピンホールレンズを作ってみた。

作り方に関しては、むかーし教育テレビの理科の実験番組で見たことがある。アルミホイルをプラスチック消しゴムでサンドイッチにして、消しゴムごと針で貫いてしまうという方法だ。このやり方によって、アルミホイルが変に裂けてしまったりすることを防ぐことができる。なんかその方法だけ記憶に残っているのだ。

で、私がとった方法は次の通り。
1)一眼レフのボディーキャップにドリルで穴をあける。14ミリ径のものがあ
ったので、それであけてみた。
2)あけた穴をヤスリで滑らかにする。削りカスがカメラボディの中に入った
りすると嫌なので、きちんと水洗、乾燥させる。
3)上述の方法でアルミ箔にピンホールをあける。
4)ボディーキャップの穴の部分に、ピンホールをあけたアルミ箔をテープを
使って貼り付ける。

すごーく簡単に工作できてしまったが、果たしてこれで写るのだろうか? テストをしたのは夜の室内。ファインダーを覗くとかなり暗いが、照明などははっきり見える。とりあえずシャッターを押してみる。もちろん絞りなんかないので、シャッタースピードで露出の調整をする。こんな時やっぱりデジカメは便利だ。ヒストグラムを表示させながら露出の決定ができるからだ。

手持ちでシャッタースピードが20秒ぐらいだからブレブレだが、ちゃんと写っていた(いや、ちゃんとは大げさか)。こんなもんでも写るんだねえ。天気のいい日に感度を1600ぐらいにして、手持ちでスナップを撮ってみよう。フニャフニャレンズでスナップをしている姿も充分に怪しいが、レンズを付けずにボディーキャップだけで撮影してるほうがさらに怪しいな。

写真を撮ろうとして、「キャップが付いてるよ」というツッコミはあっても、「レンズが付いてないよ」と言われることはないから、これはちょっと新しいかもな。(なにが??)

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フニャフニャ・シフトレンズの味わい

■トイレンズで写真を遊ぶ 4

前回は100円ショップで買ったオモチャ双眼鏡のレンズに、黒いゴム生地を巻きつけた「フニャフニャ・シフトレンズ」の写真を公開したが、今回は実際にそのレンズで写した写真をアップしてみた。「D200で撮影しました」と言ったらニコンの人から怒られそうな写真が撮れたのでぜひご覧下さい。

http://kitschlens.cocolog-nifty.com/photos/toylens/index.html

鑑賞のポイントは、たとえば赤い起き上がりこぼし人形の下半身のボケ具合。

「……って言われてもー」と困ってしまう人もいるかもしれないが、この甘さが人工甘味料っぽくなくてGood。普通は嫌われる収差を勝手に味わってしまっているわけだが、レンズを一枚しか使っていないせいなのか、なんか素朴な旨みがあって私は好きだ。

こうやってレンズを味わうためにはデジタルカメラというのは適している。現像工程をスキップしているためなのか、よりストレートにレンズの味が分かる。それと色んな実験をするにはデジタルはひじょうに楽だ。現像しなくても結果がすぐに確認できるからだ。

この程度のレンズを手作りするのにもテスト撮影は行っている。これでいちいち現像による時間やコストがかかってしまうと、ちょっと気が萎えてくる。「いえいえ、そういう時間が大切なのです」と、どこからかアナログおじさんが現れて、たしなめられてしまいそうだが、私はそんなものはスキップしたい。

思いついたことをすぐに実験してみて、結果が出たらまた次の実験をしてみる。それである程度満足するものが出来たら、とっとと作品に反映すればいい。いつまでも実験ばかりしていたってしょうがない。

写真というのは色んな迷い道があるから注意が必要だ。たとえば写真を全然撮らないくせにレンズのMTFチャートを、じとーっと眺めてドーパミンを分泌させてたり、フィルムにいかに気泡をつけずにフィルム現像を行うかを追求してみたり。

だいたいマニアックにコレクションをしたり、現像方法にばっかりこだわっているような人は、ろくな写真を撮らないもんだ(決めつけ)。たとえば、「ゾーンシステム」という現像法がある。写真家アンセル・アダムスやマイナー・ホワイトが考案したもので、印画紙の再現域を最大限に活かして階調再現を行う現像法だ。

このゾーン・システム自体には何の問題もないんだけど、いかに階調再現を行うか、いかにファインプリントを作り上げるか、といった部分にばかりウエイトを置いてしまうと、確かにプリントはきれいだけど「いったい何を伝えたいわけ?」ということになりかねない。

カラーマネージメントにいくらこだわっても、いい写真は撮れない。まあ、私自身がふらふらと迷い道に入り込みやすい性質なので、自戒を込めて言っているのだが……。

●ピンホールカメラやドアスコープカメラも作りたい

今、トイカメラやトイレンズがブームだけど、チープな描写が欲しいというだけなら、やっぱりデジタルのほうが面白いと思う。それは色んな実験が簡単にできるからだ。デジタルカメラを持っていること、というハードルはあるにせよ、100円ショップで買ったレンズが使えてしまうという所は敷居が低いのではないか。

トイカメラで撮影した写真をネットで公開してる人も大勢いるけど、プリントとスキャニングの工程が余計にかかるわけだから、ご苦労さまですと言いたくなってしまう。まあトイカメラの場合はオシャレなカメラを持ち歩く喜びというのもあるから、フニャフニャのゴムレンズは持ち歩きたくないかもしれないけどな。

現在、フニャフニャ・シフトレンズの問題点としては150mmぐらいの望遠レンズであるということ。スナップを撮ろうと持ち出してみたが、ちょっと辛かった。広角系にするには、どうしたらいいんだろう。ただ、100円ショップで買ってきたレンズをくっつけてみたら写ってしまった、というレベルなので応用が利かないのだ。どなたか親切な方は広角系にする方法を教えて下さい。

とりあえず、新たなレンズを探したりということで時間がかかりそうなので、今度は別のこともやってみたいと思う。一つはピンホールカメラ。家庭にあるアルミホイルでもピンホールが作れるみたいだから、デジタルカメラであれば簡単に実験ができそうだ。

それから、家のドアに付いているドアスコープを使うと魚眼レンズになるそうだ。これはこの間、近所のサティで380円で購入済みだ。ただ、どうやってカメラに取り付けたらいいのか思案中だ。

いろいろ調べていたら、カビが生えてしまったようなレンズを分解、修理して使っている人々が世の中には沢山いるということも分かってきた。ジャンク品のレンズを何百円かで探してきて、分解して組み合わせるなんていうことをしたら面白いかもしれない。

ただ最初のコンセプトとしては紙やビニールで工作してみようということだったから、あんまり本格的になってしまうと、ちょっと嫌だな。それにただレンズを分解して愉しんでるだけのオジさんになってしまっても困る。

あくまで最終目標は、「キッチュな描写のレンズを使って、なんか面白い写真を撮る」というところに置いて連載を続けていきたいと思う。
「日刊デジタルクリエイターズ」にて連載中)

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トイレンズに「アオリ機能」を

■トイレンズで写真を遊ぶ 3

今回トイレンズを使ってやってみたかったことの一つに、「アオリ機能」を付けるということがあった。アオリというのは大判カメラやシフトレンズを使って、レンズを傾斜させ、パースペクティブや被写界深度を変えてしまう撮影方法のことだ。

通常近くのものは大きく写り、遠くのものは小さく写るというのは当たり前。特に広角系のレンズを使うと、より遠近感は強調される。しかし、たとえば建築写真やブツ撮りで、被写体を歪ませずシャープに撮影したいケースがある。そんな場合に、このアオリ撮影が行われる。

一方、レンズを逆側にシフトさせてしまうと被写界深度が極端に狭くなり、一点にしかピントが合わず、あとはボケボケという写真が出来上がる。こちらはポートレイトやイメージ写真などで、特殊な雰囲気を与えるために行われる技法だ。

レンズがグニャグニャと曲がるように工作して、なんか面白い写真が撮れないだろうか? というのが狙いなのだが、どうやって工作すればいいだろうか?

一つは鏡筒部分に蛇腹を使う方法。ネットで検索してみたら、ちゃんと蛇腹の折り方を紹介してくれている頁もあった。しかし、自分のカメラやレンズに合わせて工作するとなるとちょっと面倒くさそう。まあ、きちんと工作できれば、試作一号機の黄色い紙筒レンズよりは格好良くなりそうなのだが……。

なんかペーパークラフトとかパッケージ方面を調べていけば、応用できそうな折り方もありそうだが、こちらは取りあえず宿題としておきたい。(アイディアがある方は教えて下さい)

それよりもっと気軽に工作するとしたら、黒ブチ眼鏡の事務員のおじさんが腕にはめてる黒いアームカバーのようなもので覆ってしまうという方法が思いついた。100円ショップに行ってみたらオジさん用のはなかったのだが、オバさん用のを見つけた。日焼け対策の長袖カバーというやつだ。

迷わずゲットしたのだが、家に持って帰ったみたら問題が発覚した。
「光が透けちゃうじゃん」
まあ、布なんだから、いくら日焼け対策用ったって、完全遮光にはならないわな。何だか余計なものを次々に買ってしまいそうな予感……。

ホームセンターに行っても鏡筒に使えそうな黒いビニールシートなどを探していたのだが、東急ハンズで面白いものを発見した。ウエットスーツなどに使う黒いゴムの生地だ。厚さ2mmなのだがフニャフニャとして気持ちいい。ちょっとラバーフェチの気持ちが分かるような気がした。

●ゴム生地でフニャフニャレンズが……

試作機第2号の課題はフレア対策とシフト化だ。まず、内面反射を抑えるために、紙筒の内部を黒マジックで塗りつぶす。それから絞りを付けてみる。これは黒紙に12mmほどの穴を開けてレンズの中に貼り付けただけ。12mmというのはまったく意味がなく適当に開けてみただけなのだが、これで多少軟焦点が解消されるはずだ。

黒紙を丸めてフードも作っちゃう。これを金属やプラスチックで工作するとなると気も萎えてしまうが、元々おもちゃレンズと紙筒で工作を始めたので、ひじょうに気軽にいい加減なことが出来てしまう。

最後にレンズをシフトさせるための仕組みを作る。といっても今までの紙筒を切り離し、間をゴム生地でつなぐだけのことだ。のり巻きというか太巻きを作る要領でレンズにゴムを巻き、取りあえず輪ゴムで留めてみた。赤い輪ゴムがアクセントになり、さながらキヤノンのLレンズのような風格も出てきた。

◇スーパーシフトレンズ

最初は試作一号機とは別に作るつもりだったが、試作機を改良するだけで、簡単にシフトレンズになってしまった。ゴム製なので、シフトさせても簡単に元の形状に戻るところが素晴らしい、これはビニールや紙にはない利点だな。

まあシフトのさせ方によっては画面がケラレることもあるけど、とりあえずは「レンズの味」ということにしておこう。

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おもちゃ双眼鏡のレンズを一眼レフに

■トイレンズで写真を遊ぶ 2

100円ショップでは、けっこう色んなレンズが売られていた。まず、おもちゃコーナーでは双眼鏡とオペラグラスを発見した。双眼鏡一つでレンズは四つ付いているから、一つ25円ということになる。100円ショップ侮りがたし……。

さらに老眼鏡コーナーは、ルーペや拡大鏡などレンズの宝庫だ。何で老眼鏡を100円で売って商売になるのかよく分からないが、色んな度数のものが用意されているから、画角を調整したい場合に便利かもしれない。

平板状のフレネルレンズというのも面白そうだ。グニャグニャ曲がるのを活かせば、世の中も歪んで写ることだろう。虫眼鏡の類いも色々あったが、あんまりまともなレンズはパスだ。チープなレンズを味わってみるというのが今回のコンセプトなので、あまりまともに写ってしまうと面白くないからだ。

レンズとともに鏡筒部分の工作もしなくてはいけない。これは金属やプラスチックというよりは、紙とかビニールで作りたいところだ。ペーパークラフトみたいにして、蛇腹が出来ないものだろうか……。

などと考えながら物色していたら、「ペンケース、プレゼントのケース等に」と但し書きのある紙筒を発見した。表彰状等を入れる紙筒を小さくしたようなものだ。赤やら青やら黄色やらの紙筒はおよそカメラには似つかわしくないが、蓋がスライドする部分は、そのままピント合わせに使えそうだ。

結局、最初に見つけたおもちゃの双眼鏡、チープなルーペと虫眼鏡、平ぺったいフレネルレンズ、そして黄色い紙筒。計5点、525円也を支払い、私は100円ショップを後にした。

●試作機の完成

家に戻ると早速、工作にとりかかった。まず、一番おもちゃっぽくて心動かされていた双眼鏡をペンチでバリバリ、ベリベリと壊してレンズの部分だけを外してしまう。そしてレンズを外した一眼レフカメラに、双眼鏡のレンズをかざしてファインダーを覗いてみる。レンズの位置を変えることにより、ちゃんとピントが合うことを確認することができた。このピントの合う位置を計っておいて、鏡筒となる紙筒をカットすればいいということだ。

紙筒の蓋の部分に穴をあけレンズを取り付ける。そして適当な長さに切った紙筒にボンドをたっぷり付けてカメラ本体にがっちりと貼り付けた。というのはもちろんウソで、カメラへの取り付けはボディキャップを使うことにした。ボディキャップに穴を開けて紙筒レンズを貼り付ける。これで、手作り交換レンズが完成したというわけだ。

レンズ100円、鏡筒100円、ボディキャップ300円。
締めて525円(税込み)だ。

黄色い紙筒ボディーはかなりチープで情けないけど、まあ試作機ということで我慢。とりあえず写るんだかどうだか、早速Nikon D200に取り付けて試し撮りをしてみた。以下に試作一号機と試し撮りの写真を掲載。

◇トイレンズ・アルバム

とりあえず、こんな世の中を舐めきったレンズでも写ることに感動。初めて暗室の中で印画紙に像が浮かび上がってきた時にも感動したけど、それに近い喜びがあるな。

写りに関して言えば「おー、写ってる! 写ってる!」というレベルから一歩引いて冷静に観察してみれば、けっこうひどい(笑)。色収差やフレア、軟焦点。改善すべき点は多々ある。ただ、元々欲しいと思っていた「ボケ味」とかレトロなニュアンスという点に関しては、可能性を感じた。もうちょっと突き詰めていっても良さそうだ。

今後の対策としては、
◇光が漏れないようにする。内面反射も抑える
◇絞りを付ければ、軟焦点の改善にはなるだろう
◇フードも付けてみよう
◇レンズベビーのようにシフトさせてみたい
◇もうちょっと広角系にするにはどうすればいい?

なんかやりたいことが、いっぱい出てきてしまった……。

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レトロなレンズを求めて

●トイレンズで写真を遊ぶ 1

私がトイカメラの存在を知ったのは操上和美さんの写真集「陽と骨」(PARCO出版、1984年)によってだ。この写真集は函入りで、ハードカバー、クロス装のカラー写真集とソフトカバー、平綴じのモノクロ写真集の二冊で構成されている。

カラーの方は、ちょっとアンダー目で濁ったような色合いがひじょうに美しい写真集。一方のモノクロ写真集の方の撮影がすべてトイカメラによるものだ。ピントが甘く、粒子が荒れ、現像ムラやネガ傷があるような写真なのだが、静かで暴力的でレトロで不思議なイメージを醸し出している。

これがカッコ良くて、真似してみたいと思ったのだが、トイカメラというのが何だか分からない。まあ直訳すれば玩具写真機だから、子供向けではあるが、一応写真を撮る機能は備えているもの、というのが当時のイメージだ。本人のインタビューによれば、胸ポケットに入るような小さなもの、とのことだったので、今ブームになっている旧共産主義国製カメラとはまた違った、本当にオモチャみたいなものだったのではと考えている。

ただ残念ながら、本当に撮影ができるオモチャカメラは探しだすことは出来なかった。その代わりと言ってはなんだが、今度は「ベス単」というものの存在を知った。これは「ベストポケットコダック」(VPK)という1912年生まれのカメラのレンズのことだ。

ベストポケットというのはポケットに入るような小さなカメラという意味。高さ12センチ、幅6.5センチ、たたむと2.5センチの厚さになり、重さが260gというのは、現代でも十分にポケットサイズと言えるだろう。

そしてこのカメラのレンズが単玉(1群2枚)だったことから、「ベス単」という愛称がついた。ベス単の特徴は、レンズ前に付いているフードを外してしまうことにより、独特のソフト効果がでてくるところにある。フード外しにより球面収差が出て軟焦点になってしまうのだ。

通常はこういった球面収差をいかに抑えるか、といったことが重要になるわけだが、このソフトフォーカス効果が味として楽しまれたというわけだ。小さく、安く、庶民に愛されたベストセラー機種だったが、一方でフード外しのテクニックは写真愛好家の間でも流行し、そのソフトな描写から「朦朧写真」などと呼ばれたようだ。

VPKはベストフィルムというサイズのフィルムを利用する。ブローニー判より少し小さく現在では入手困難だ。シャッターもバルブと1/25、1/50秒しかないので、レンズだけ外して、6×6や35mmの一眼レフに付けて使うのが一般的だ。

ただ、私自身は興味はあったものの、わざわざ骨董品のようなカメラを探し出してきて、レンズを取り外して一眼レフにくっつけるなどということまでは、やらなかった。そんな時、目に留まったのがカメラ雑誌に掲載されていたキヨハラ光学のVK70Rというレンズだ。

このレンズはベス単のフード外し状態を一眼レフカメラで楽しむために開発されたものだ。各社のマウントが用意されていたので、当時コンタックスを使っていた私はヤシカマウントの製品を早速注文した。

で、どんな描写になったのかは以下のページの写真をご覧いただきたい。わずかな滲みやボケ具合にレトロっぽさが出ているのが、お分かりいただけるだろうか?

http://www.k5.dion.ne.jp/~color/gallery/galindex.html

絞りを開けるとソフトフォーカス効果がかかり、幻想的というか甘ったるい写真になる。これが本来の「ベス単」の使い方であり、「ベス単」というキーワードで検索すれば色んな写真を見ることができる。ただ私はあんまりソフト過ぎる描写というのは好きではないので、ちょっと絞り気味に撮影を行った。しかし、思いっきり絞ってしまうと今度はソフト効果のかからない普通の写真になってしまうので、自分の好みの絞り値を見つけ出すというのが、このレンズを使う場合のポイントだ。

最近ではレンズベビーというトイレンズが人気になっている。一眼レフカメラで利用できるチューブ状の蛇腹レンズで、蛇腹の伸縮によりピント合わせを行うところがユニークだ。最大の特徴はレンズ自体を曲げてしまうことができること。要するにアオリ操作ができるわけだが、この操作によって画面の中にピントが合っている所と合っていない所ができ、その描写が面白いのだ。

http://lensbaby.jp/

これはPhotoshopでは出せない味わいなので、その愛嬌のあるルックスに惹かれて、すぐに買ってしまおうとしたのだが、色んな人が撮っているサンプル写真を見ているうちに、ちょっと気が萎えてきた。面白いのは面白いんだけど、ちょっとレンズが主張しすぎという感じなのだ。ちょこっとレトロ、というぐらいならいいんだけど、いかにもという感じはちょっといただけない。

ただ、またチープなレンズで遊んでみたいという欲求が生まれてしまった。そして思いついたのは、「自分で作っちまえばいいのか?」ということだ。オモチャカメラというのは見つけることはできなかったけど、チープなレンズというのは世の中に色々ある。それに蛇腹を付けてみたらどうだろう?

デジタルカメラを使えば工作しながら、すぐに撮影した写真のチェックもできるし、紙やプラスチックを使えば工作も簡単だ。そう思い至ると、私は自転車に飛び乗り、100円ショップへと、カッ飛んで行ったのだった……。

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